「ピカソ フランス国立図書館版画コレクション」福井でオープンしました
第2会場となる福井県立美術館では、肖像画とともに、モデルとなったピカソの恋人や伴侶の写真を展示しているのが特徴となっています。
ピカソの生涯はたくさんのパートナーで彩られていました。
1920年代に古典主義への傾倒を深めていたピカソにとって、ギリシャ彫刻のような容姿をした若きマリー=テレーズ・ワルテル(1909-1977)は、麗しきミューズとして創造の尽きせぬ源となりました。1930年代後半にピカソと恋仲であったドラ・マール(1907-1997)は、ピカソの数多くの作品のモデルとなり、内面の激しさを映し出すかのような強烈なイメージで描かれました。ピカソの代表作《ゲルニカ》や《泣く女》のモデルになったのがこの人です。「花のような女性」フランソワーズ・ジロー(1921-)の、美しい顔立ちは真正面からの凜としたイメージで描かれることが多く、ときには大輪の花や、太陽のようなイメージへと変容して表現されました。そして、ピカソ最後の伴侶ジャクリーヌ・ロック(1927-1986)。老境のピカソを献身的に支えたジャクリーヌは1961年にピカソと正式に結婚し、ピカソが亡くなるまで人生をともにしました。エキゾチックな美貌と聡明な快活さに魅せられたピカソは、1950年代からジャクリーヌをモデルに油彩画のほか版画においても数多くの作品を手がけました。
ピカソは彼女たちをモデルとし概念化した姿で表しましたが、写真と並べてみるとそれぞれの特徴をとてもよく捉えていることが分かります。
開会式の後には美術館学芸員によるギャラリートークが行われ、ご来場いただきましたみなさま熱心に耳を傾けていました。
本展は8月26日まで福井県立美術館にて開催しておりますので、ぜひお越しください。(HY)
関連リンク:
福井県立美術館
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