ピカソ 〜フランス国立図書館版画コレクション
20世紀最大の芸術家パブロ・ピカソ(1881-1973)は、1881年スペイン南部の港町マラガに生まれ、青年時代にパリに出てから1973年に生涯を閉じるまでフランスで活動を続けました。1910年頃パリを席捲したキュビスムの造形的実験はルネサンス以来の造形革命と呼ばれ、20世紀の美術に決定的な影響を与えたといっても過言ではありません。その後、新古典主義的傾向や、シュルレアリスム的傾向をみせ、第二次大戦以降は様式や形式にとらわれない自由な表現を展開し、晩年に至るまで精力的に制作し続けました。
ピカソは、絵画、版画、素描、彫刻、陶芸など様々な分野に優れた才能を発揮しましたが、中でも情熱を注いだ版画は、1899年に着手してから最晩年の1970年代初めまで、70年以上にわたって2000点近く制作し、これは過去の版画家たちと比較しても飛び抜けて多い数と言えます。偉大な刷り師たちの協力を得て、銅版画、リトグラフ、リノカットなどさまざまな手法を試みた点も特筆に価します。
既存の造形表現を飛び越え、様々に変貌をとげるピカソの自由な造形世界はどのようにもたらされたのでしょうか。同時代の多くの人々から伝統の破壊者としてとらえられてきたピカソですが、その創造性は過去の美術とのつながりの中で育まれました。むしろピカソは、西洋美術の伝統的主題に取り組み、あるいは美術史の巨匠たちと対話し続けることで独創的な表現を生み出していったのです。
本展は、世界でも屈指の版画コレクションを所蔵するフランス国立図書館の協力のもと開催される貴重な展覧会であり、ピカソ芸術の源泉と偉業をうかがうまたとない機会となります。
出品作品 :
- 版画100点
会場・会期 :
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2018年度
- 秋田市立千秋美術館 ... 2018年4月21日(土)〜6月3日(日)
- 福井県立美術館 ... 2018年7月14日(土)〜8月26日(日)
- 美術館「えき」KYOTO ... 2018年9月7日(金)〜10月8日(月・祝)
- 新潟市美術館 ... 2018年11月3日(土・祝)〜12月16日(日)
- 南アルプス市立美術館 ... 2019年1月12日(土)〜2月11日(月・祝)
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