「和フリカ―第三の美意識を求めて―」展が東京で開催中です

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東京都千代田区大手町の丸紅ギャラリーで、「和フリカ―第三の美意識を求めて―」と題する展覧会が開催中です。








この展覧会は、パリを拠点に活動するカメルーン出身の現代アーティスト、セルジュ・ムアング氏の日本で初めて開催される個展です。セルジュ氏の芸術は、彼が「第三の美意識」と呼ぶ、日本とアフリカの伝統を越えた世界観とアイデンティティから生まれています。

丸紅ギャラリーは、2021年11月に開館した新しい美術館です。コンパクトな展示室ですが、今回は展示室へ向かうホールにも作品が展示されています。

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最初に目を奪われるのは、《和フリカ着物》です。アフリカで織られた生地と現代的な和の融合から誕生した着物です。最初に展示されている《”トーグー”振袖》に使われている布は、カメルーン北西部のバメンダ高地の王族が冠婚葬祭に着用していた豪華な織物です。

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展示室に入ると、《漆彫刻写真》と《漆彫刻》が展示されています。これらの作品は、アフリカの仮面や彫刻をもとに、日本の漆芸家とのコラボレーションによって、セルジュ氏がリメイクしたものです。

《漆彫刻》のコーナーに展示されたたくさんの仮面を見終えると、インスタレーションのコーナーが広がっています。

ひときわ存在感を放つ作品《ブラッド・ブラザーズ(血の兄弟)》は、異次元から現れた真っ赤な4人の異星人、あるいは縄文時代の遮光器土偶のようにも見えます。実はこの作品は、もともとカメルーン南東部のバカ・ピグミー族の職人が彫ったスツール(椅子)でした。その椅子に日本の漆芸家が、時間をかけてつややかな赤い漆をまとわせました。

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インスタレーションコーナーのハイライトは、《セヴン・シスターズ(七人姉妹)》と《透現》の2作品です。怪しく幻想的な空間が、そこに演出されています。

展示室を出たホール部分には、作品のアイデアスケッチと、高さ180cmもある大判の写真《和フリカ着物「女王たち」》が5点並べられています。その繊細な美しさとダイナミックな迫力に感動してしまいますので、ぜひ会場でご覧ください。

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本展は2024年6/8(土)までの開催です。(HS)



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丸紅ギャラリー