ウィリアム・モリス（1834～1896）は、芸術家、詩人、作家、思想家、社会運動家など、多彩な分野で活躍した19世紀の英国を代表する偉人として知られています。

本展は、これまで顧みられることのなかったモリスの幼少期や学生時代にはじまり、晩年に至るまで、デザイナーとしてのモリスの生涯を紐解く展覧会です。写真家・織作峰子のファインダーを通して、モリスの制作活動と深いつながりを持った「住まい」、「学び」、「働いた場所」の風景と作品を照らし合わせ、全6章構成により、そのデザインの軌跡をたどります。

本展では「モリス・マーシャル・フォークナー商会（後のモリス商会）」を通じて制作されたテキスタイルや壁紙、家具などの室内装飾作品に加え、大阪芸術大学の特別協力により、ケルムスコット・プレス刊本53書目66冊を、前後期に分けて全巻展示できることになりました。私家版印刷工房「ケルムスコット・プレス」は、モリスが理想とする「美しい書物」の制作を実現すべく、1891年に創設されました。活字や挿絵、用紙や装丁の全てに最晩年の飽くなき情熱が注がれた同刊本は、モリスによる制作活動の集大成として現代まで高く評価されています。

室内装飾品や書籍など約151点の作品を通して、「モダン・デザインの父」とも称されたモリスのデザインの世界をお楽しみください。

出品作品 :

• 約 151点