アメリカを愛し、日本を愛し、そして何よりも木のこころを愛して1990年にこの世を去った家具デザイナー、ジョージ・ナカシマの回顧展を開催します。

ジョージ・ナカシマは、機会と合理性が支配する20世紀にあって、ひたすら木を愛し、木のこころに即して、家具作りに専念したアメリカの日系家具デザイナーです。

1905年、アメリカ西海岸ワシントン州に、日本人を両親として生まれたジョージ・ナカシマは、ワシントン大学、マサチューセッツ工科大学の建築科に学んだ後、木工家具デザイナーの道を歩み始めました。第二次大戦前に滞在した日本とインドの精神文化や伝統を糧に、大量生産が横行し始めたアメリカのデザイン界に、木の特性をいかんなく発揮させた気品あふれる木製家具を生み出していきます。こよなく木と自然を愛し、木の生命を家具に蘇らせようとしたナカシマの家具には、人間の本来的生活のためにデザインされたものだけが持つ深い味わいがあります。このたびの展覧会は、アメリカを愛し、日本を愛し、そして何よりも木のこころを愛して1990年にこの世を去った家具デザイナー、ジョージ・ナカシマの今日的意義を、彼が残した作品の数々を通して回顧しようとするものです。

出品作品 :

• 61 セット

会期 :

• 1993年3月〜9月

会場 :

• 小田急美術館 [東京]
• 富山県立近代美術館
• 北海道立旭川美術館
• 大丸ミュージアム・梅田 [大阪]

<画像>
ジョージ・ナカシマ
ミングレンI・テーブル（初期バージョン）
1965年頃
イングリッシュ・オーク・バール材、イングリッシュ・オーク材、イースト・インディアン・ローレル材
Photographic credit : George Erml