英国風景画展

1992-1993年度

18〜20世紀まで300年に及ぶ英国風景画の変遷を、あますことなくご紹介いたします。

British Landscape Painting - Braintrust Inc.

18世紀のイギリスは、イタリアの古典的風景と、自然に沿って観察された17世紀オランダ風景画の双方の影響のもと、詩的な自然主義を開花させていきました。同世紀後半には、エドモンド・バーグによる「崇高」の美学や、ギルピン牧師の「ピクチャレスク」の概念が広まって風景画は多様化と興隆をみせ、コンスタブル、ターナーという二人の偉大な風景画家が誕生します。

19世紀には外国の新しい風景を探求する機会がもたらされ、例えばターナーが初めての外国旅行でスイスのアルプスを描いたように、英国の画家たちはスイス、フランス、ベルギー、オランダはもちろんノルウェーに足を運んで絵の題材を求めました。他方で国内にとどまる画家もあり、クローム、コットマンらノリッジ派の画家たちは英国の静かな片辺をとらえた作品を描き続けます。ヴィクトリア朝時代には、ラファエル前派の画家たちが、神は自然のなかに顕現するものと深く信じて自然を直接写したものに意義を認めますが、しかしその後、画家たちは印象派、後期印象派などフランスの影響を受け写実的風景画の伝統から解放され、20世紀には自由にそれぞれの風景との関わりを模索することとなります。

本展は、こうした18〜20世紀までの300年に及ぶ英国風景画の変遷を、フィッツウィリアム美術館所蔵作品を中心に紹介いたします。

出品作品 :
  • 67点
会期 :
  • 1992年9月〜1993年5月
会場 :
  • 伊勢丹美術館 [東京]
  • 大分県立美術館
  • 郡山市立美術館 [福島]
  • ひろしま美術館
  • 大丸ミュージアム・梅田 [大阪]
  • 三重県立美術館

<画像>
トマス・ゲインズボロ
《ヘニッジ・ロイドと姉》
油彩・カンヴァス
Photographic Credit : The Fitzwilliam Museum, Cambridge

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