19世紀オランダのハーグを中心に風景と田園生活の真髄を描き出そうと挑んだハーグ派を日本で初めて本格的に紹介します。ハーグ派に影響を与えたバルビゾン派および、ハーグ派から影響をうけた初期ゴッホ、モンドリアンの作品も合わせて展覧します。

19世紀オランダのハーグを中心に屋外での直接的な自然観察をもとに、風景と田園生活の真髄を描き出そうと挑んだ画家たちがいました。彼らはハーグ派と呼ばれ、先達のオランダ黄金時代の巨匠たちが築いた伝統に学び、オランダらしい性質と風景を真に備えた作品を生み出しました。

また、ハーグ派が発展していく上で重要な影響を与えたのが、同時代に自然や農村生活と忠実に向き合って制作をしていたフランスのバルビゾン派でした。ハーグ派の画家たちは、自国の伝統的な自然主義絵画と、バルビゾン派が実践していた近代的な自然主義絵画から多くを学びその画風を発展させ、オランダの特徴的な景色―運河や風車、放牧地の牛、水面の光、高く輝く空や広大な海、そして日々の労働、慎ましい家庭の日常―を、独自の静謐で詩的な方法のもとに描きました。

本展は、ヨーロッパにおいて最も重要な美術運動のひとつであるハーグ派を、ハーグ市立美術館のコレクションを中心に、日本で初めて本格的に紹介するものです。また、画業の初期にハーグ派に影響を受けてその芸術を発展させ、後にオランダにとどまらず世界の絵画史に大きな変革をもたらした２人のオランダ人画家、ゴッホとモンドリアンの作品もあわせて展覧します。

出品作品 :

• 約 90点

<画像 >
ヤン・ヘンドリック・ヴァイセンブルフ
《トレックフリート》
1870年
油彩／カンヴァス
ハーグ市立美術館
Collection Gemeentemuseum Den Haag, The Hague, The Netherlands