ノルマンディー展 近代風景画のはじまり
穏やかな光に照らされた美しい水辺の風景をもつノルマンディー。ルーアンからル・アーヴルの河口までを中心に、近代風景画の発展におけるノルマンディー地方の役割を検証する初の展覧会です。
フランス北部のノルマンディー地方は、美しい海辺や豊かな自然から、パリ市民に最も人気のある保養地のひとつです。海を隔ててイギリスと向き合うノルマンディーは、歴史上、第二次大戦では戦闘地となりましたが、近代風景画の発展に重要な役割を果たした地でもあります。
パリからルーアン、ル・アーヴルの河口へと流れるセーヌ河は、人々の余暇の場所でもあり、物流の手段としても利用されていました。1826年にル・アーヴルの港にイギリスからの定期連絡船が就航し、イギリス人にとって、セーヌ河沿いのフランスの古い町並みや、封建時代の遺跡は、「絵になる光景(ピクチャレスク)」の格好の題材となります。1850年までにはパリからノルマンディーへの鉄道も開通したことで、国内でも人々の流れがノルマンディーへと向かうようになります。アトリエを出て屋外で絵を描きはじめた19世紀の画家たちも、新たな画題を求めてノルマンディーへと赴きました。穏やかな光に照らされた美しい水辺の風景をもつノルマンディーは、刻々とうつろいゆく光の表情と、余暇を楽しむ近代生活の情景を描いた印象派のふるさととなったのです。
本展は、セーヌ河に沿い、ルーアンからル・アーヴルの河口までを中心に、近代風景画の発展におけるノルマンディー地方の役割を検証する初の展覧会となります。ル・アーヴルのアンドレ・マルロー美術館の協力のもと、フランス各地の美術館と個人コレクション、日本の美術館の作品から構成されます。
出品作品 :
- 約 140点 (油彩、版画、写真)
会期・会場 :
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2014年度
- 東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館 [東京] ... 2014年9月6日(土)〜11月9日(日)
- ひろしま美術館 ... 2015年2月28日(土)〜4月12日(日)
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2015年度
- ひろしま美術館 ... 2015年2月28日(土)〜4月12日(日)
- 熊本県立美術館 ... 2015年4月18日(土)〜6月21日(日)
- 山梨県立美術館 ... 2015年6月27日(土)〜8月23日(日)
<画像>
ウジェーヌ・ブーダン
《ル・アーヴル、ウール停泊地》
1885年 油彩、カンヴァス
エヴルー美術博物館
© J.P.Godais – Musée d’Évreux
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