タマラ・ド・レンピッカ展
社交界の華タマラ・ド・レンピッカの芸術の評価は、彼女の華麗で波乱に満ちた生涯のように変遷しました。生誕100年を機にその画業の全貌を紹介します。
タマラ・ド・レンピッカの芸術の評価は、彼女の華麗で波乱に満ちた生涯のように変遷しました。19世紀末、ワルシャワもしくはロシアにて富裕階級のもとに生まれ、スイスで教育を受けたタマラは、1918年のロシア革命の勃発にともない一家でパリへ逃れます。多くの芸術家が集い活気に満ちていたパリで画家になることを決心したタマラは、アンドレ・ロートに師事してネオ=キュビスムを学び、自らの画風を確立していきました。
人並み外れた美貌で社交界の華でもあった彼女は、その透明感のある色彩や光沢、大胆な構図で人気を集め徐々に肖像画の注文を受けるようになり、1920年代から30年代にかけてはその絶頂期を迎えます。ナチスの台頭にともないアメリカに活動拠点を移してからも活動を続けますが、第二次大戦後に再びヨーロッパへ戻った頃には美術界の波はもはや彼女の存在を置き去りにしていました。
しかし1970年代に入るとタマラの芸術は再び評価され始め、現在では偉大な画家たちと肩を並べる存在となっています。時代とともに移り変わるタマラ・ド・レンピッカの作品は彼女の自画像ともいえます。生誕100年を機に画業の流れの全貌を紹介する本展の開催で、その評価はさらに高まることでしょう。
出品作品 :
- 油彩 93点、写真 26点
会期 :
- 1997年7月〜11月
会場 :
- 伊勢丹美術館 [東京]
- ひろしま美術館
- 松坂屋美術館 [名古屋]
- 大丸ミュージアム・梅田 [大阪]
<画像>
図録表紙より
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