エコール・ド・パリ プリミティヴィスムとノスタルジー

2006年度

エコール・ド・パリの芸術家たちが個性豊かに築きあげた世界をご紹介します。

19世紀末、目覚ましい科学と技術の進歩により爛熟の極みに達した西欧社会において、文明の革新のためには根本に立ち戻り、素朴なものの探求と学習が必要であるとするプリミティヴィスム(原始主義)の思潮が現れ、プリミティヴなアートの再発見へとつながっていきます。こうした時代背景のもと、国際的な芸術都市パリに世界各国から参集した若い芸術家たちがいました。この異邦人達による芸術家の一群は「エコール・ド・パリ」と呼ばれ、イタリアからモディリアーニ、ポーランドからキスリング、ブルガリアからパスキン、ロシアからシャガール、リトアニアからスーティン、そして日本からは藤田嗣治がパリへ渡り、それぞれに多彩な造形世界を切り開きました。故郷を離れて暮らすノスタルジー(郷愁)の感情は、彼らを素朴な民族主義や懐古趣味に向かわせ、プリミティヴィスムが独自の道を探求するための重要な指針となっていきます。

本展では、彼らエコール・ド・パリの芸術家たちが、母国の伝統やプリミティヴな芸術に示唆を受けながら、それぞれのルーツを見つめ築き上げた個性豊かな世界を、油彩、素描、彫刻などの作品を通してご覧いただきます。

出品作品 :
  • 80 点 (油彩、素描、彫刻)
l'ecole de paris - Braintrust Inc.
会場・会期 :
  • 2006年度
    • 岡崎市美術博物館 [愛知] ... 2006年6月3日〜7月30日
    • 熊本県立美術館 ... 2006年8月4日〜10月9日
    • 兵庫県立美術館 ... 2006年10月18日〜12月17日

<画像>
アメデオ・モディリアーニ
《スウェーデン娘(アニー・ビャーネ)》
1919年
個人蔵

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