ヴラマンク展が三重でオープンいたしました

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ヴラマンク展が、パラミタミュージアムで4月20日にオープンいたしました。









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パラミタミュージアムは、もともとは避暑地でもあった場所で、緑豊かな環境に建つ美術館です。遠くには山々が見え、鳥もたくさんいます。自然に囲まれ、名古屋までも近いので、避暑地としてうらやましい環境です。
美術館にも、パラミタガーデンという庭園があり、展示作業の休憩時間には、鮮やかな緑と木漏れ日にほっとしました。

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展示作業を終えて駅まで歩きながら、振り返ると、夕暮れ時の澄んだ空がきれいでした。山々は、鈴鹿山脈だそうです。

パラミタミュージアムは、至るところに作品が溶け込み、私的な場所のようにも感じるため、展示室と展示室以外の空間の隔たりが少ないように感じました。展示室以外の空間の窓が大きく、自然に囲まれていることを実感できることも大きいように思います。

ヴラマンクも、パリから次第に離れ、静かな安らぎと自然への近さを求め、オーヴェール=シュル=オワーズに家を購入しことを思い出しました。その後、リュエイユ=ラ=ガドリエールの小さな集落ラ・トゥリリエールに移り、生涯暮らします。

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(左)ラ・トゥリリエールのヴラマンク。1928-30年頃
(右)庭にいるヴラマンクとベルト。ラ・トゥリリエール。1928-30年頃


ヴラマンクにとって、自然の中で暮らすことは大切なことでした。ヴラマンクの風景画も、住む環境の変化に伴い、展開していきます。

ヴラマンクは遺言でも次のように記しています。
「これらの幸福、それぞれの季節が巡り、花が咲き、心臓が高鳴るこの上もない幸福、光と影があり、空と水の色彩が存在するこの幸福、それらが、われわれのきわめて貴重な財産であり、傑作を生み出してきた原動力であることを、時にわれわれは思い出さなければならないのではないか。」

ヴラマンクの絵画を、初夏のさわやかな気候の中、自然を身近に感じる空間で鑑賞できることは、もしかしたら貴重な機会かもしれません。(TH)

関連リンク:
パラミタミュージアム