ランス美術館展が山口でオープンいたしました

ランス美術館展〜山口県立美術館 / 株式会社ブレーントラスト
ランス美術館展が、巡回第6会場の山口県立美術館で7月6日にオープンいたしました。









「素敵な仏頂面」

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アンリ・ジェルヴェックスの作品《期待はずれ》。
有名な作家の作品ではなく、今まではあまり注目されることのなかったこちらの作品。意味深なタイトルと、複雑な表情から、彼女に何が起きたのか、いろいろと想像してしまいます。

山口県立美術館では、大胆にもこちらの作品に焦点をあてていらっしゃいました。
作品の両脇に、ビンクの背景に書かれた文字が見えます。こちらは、美術館のご担当の方がお考えになりました言葉で、通常美術館ではあまり目にすることのない表現が印象的です。

「素敵な仏頂面」のほかにも、「これがコロー流」「筋肉アピール、ぐいっ」「理想と現実のはざま。あるいは隔たり?」など、選ばれた作品に即した言葉が並びます。

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難しい言葉が並びがちな美術館ですが、たまには、思わず笑みがこぼれるような言葉とともに鑑賞するのも楽しい経験です。美術館の方の斬新な発想に、作品の新鮮な魅力を発見いたしました。

また、各章から女性が描かれた作品を選び、展示された箇所では、時代順の展示では気がつくことのなかった肖像作品の魅力に気づかされます。

最後は、美術館の丸い天井を生かした、まるで実際の礼拝堂に入ったかのような雰囲気の中、フジタの礼拝堂下絵が展示されております。

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展示室を出たところには、おみくじコーナー。
ランス美術館からいらしていたクーリエの方もおみくじを引いていらっしゃいましたが、書かれていた内容が、その日を言い当てたかのような内容で盛り上がりました。

展示室ごとに雰囲気を変え、最後まで工夫されている美術館の方の熱意に、学ぶところの多い展覧会となりました。(TH)


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山口県立美術館